2010年6月27日日曜日

『ありがとう』wacci


日付が変わって今日はいよいよwacciのレコ発。
がっつりミックスを担当させてもらったのもあるけれど、
なによりみんな良き友なんです。
だから単にエンジニアってだけじゃない思い入れがある。


なんせ鍵盤のはじめちゃんは大学時代からずっと
鍵盤弾きの同士であり、切磋琢磨できるライバルであり、
数々の人生相談(恋愛相談?)にのってもらったり。
かけがえのない友です。

ベースのおのくんは何を隠そうmopsyの元メンバーだしずっと一緒にやってたし。
色んな意味で心の友だし(笑)

ヴォーカルのはしぐちくんはおおはたセッションで出会って。
ってやっぱそんなメンバーが一緒にやってるって人の出会いは不思議だ。

ギターのケイジくんはこの件でようやくお話しました(笑)
ラーメン屋の店長ってだけでもうソウルメイトです。
たぶん明日行ってももう顔忘れられてる気がする(泣)

よこやんは、まあ、よこやんだし。


と、だからと言って単なる仲間内の内輪な自主盤ではなく、
普遍的なポピュラリティーを目指す彼らの音楽と真摯に向き合って
ミックスした作品。


ミックスが及ぼす影響というのは本当に大きくて、CD制作の中で一番大事なのはミックスなんじゃないかと思うことすらある。
曲や歌詞やアレンジや演奏が持っている風景や匂いや感触を具体化するような工程だと。
だけどメンバーやプロデューサー、スタッフのような制作チームとは違う外の人が作業することが非常に多いのでズレが生じやすい。Recエンジニア=Mixエンジニアでも下手すりゃ2日間くらいしか時間を共有しなかったりするしね。
まあ、一番ズレが大きくなる可能性が大きいのはマスタリングなんだけど。
過去何度マスタリングで...(ry
いや、何回か、です。


だから紆余曲折あったにせよ、依頼がきたときには「どうすんべ...」と一瞬弱気にもなったけど、曲を聴いて風景が浮かんだりこうしたいああしたいっていうのが出てくるし、
なにより頼まれたら断れないし(笑)で、結局ミックスからマスタリングまでやらせて頂きました。


今改めて聴きかえしながら日記を書いています。
何よりも彼らの音楽が伝わる作品になったという感触は変わりません。


さてさて、wacciファンの方がこのblogを見るかどうかわかりませんがせっかくミックスをする上で考えたことなど書いてみる。


M1.ありがとう

たぶん3曲目くらいにミックスしたんじゃないかな。
タイトルからもそのメッセージが出ているように、変に色をつけたりしないで
聴く人それぞれの色に、想いに染まるようにシンプルなミックスを心がけた。
みんなの「ありがとう」になるように。


M2.familiarity

1曲目にミックスした曲。
なので一番悩んだし、思い入れもあるミックス。
最初ふんだんに盛り込んだ小技はことごとく却下され(笑)、今のミックスに。
曲を聴いてベランダから夜を眺める風景が浮かんだ。団地や街頭の灯りがポツポツと浮かんでいてその先には街の賑やかな光がある。
そこには色んな家族の形や姿がある。家族のような「君」を感じた。
そして、あくまで言葉の響きからなんだけど、なぜか黒人のコミュニティーの強さをイメージして腰を落としたボトムドッシリのミックスに。このタイトルじゃなかったらこのミックスにはならなかっただろうな。
ちなみに当時メンバー間でこの曲をベランダと呼んでいて、僕は混乱しました(笑)


M3.じゃあね

確か2曲目。きれいなイントロで始まる曲。
もうただ単純にきれい好きな自分の趣味と曲の持つ雰囲気そのままに進んでいったミックス。迷いが全くなかった(笑)


M4.おつかれさん

最後にミックスした曲。
疾走する若者たち!このまま突っ走れ!!
最後というのもあってか、勢いづいてミックスしていました。
全体を汚れた感じにするだけではなく、フレンチポップみたいな雰囲気を同居させることを目指したミックス。


M5.チーム

4番目にミックスした曲。
泣きの一曲。
これもフェードアウトで色々仕掛けたもののことごとくメンバーに却下されました(笑)
『ありがとう』と同じくメッセージの強い曲なのでシンプルに。



って、書いてみたら全然具体的にミックスのことを書いていない(笑)
それにしても、いいバンドだ。